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ポケットモンスター、略してポケモンは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する架空の生物たちの総称である。

日本語での正式名称は「ポケットモンスター」であるが、ゲーム内においても「ポケモン」という通称が一般的であり、欧米では「Pokémon」の名称が正式名称として扱われていることから、この記事では以後「ポケモン」の名称を用いて説明する。

概要 編集

1996年に発売されたゲームボーイ用のソフトである『ポケットモンスター 赤・緑』で最初の151種類が登場して以来、新作が発表されるたびにその総数は増加している(世界観上は「それまで未発見だったポケモンが新発見されている」)。『金・銀』が発売された1999年には100種類が、『ルビー・サファイア』が発売された2002年には135種類が、『ダイヤモンド・パール』が発売された2006年には107種類が、そして『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』が発売された2010年には新たに153種類が「発見」され、現在646種類[1]のポケモンの存在が確認されているが、今後も更に新しい種族が発見されることが予想される。

一度でもポケモンとしてメディアに登場した種族が、次作以降で「無かったこと」にされた例は現在までに一度も無い[2]。外伝作品ではすべての種族が登場しない場合もあるが、それは「その地方では見つからない」等という理由であり、世界に存在しないというわけではない。

メインのRPGシリーズにおいては、発売時点でのすべてのポケモンが必ずデータとして設定されている。ただし、実際にすべて出現させるためには通信プレイが必要である。

キャラクターとしてのポケモン 編集

非常に多くの種類がいて、それぞれが個性的な特徴を持ち、世界や相互との関係がある程度明確に設定されているポケモンという生物たちはキャラクターとしても魅力的な存在である。本来のゲームにおいてポケモンがコレクション対象とされていることもあり、ポケモンを題材としたキャラクターグッズは非常に早い時期から存在している。

一般的な「キャラクター」と比較して珍しい点は、それぞれのポケモンの名前は固有のキャラクターの名称ではなく種族の名称だという事である。例えばディズニーにおける「ミッキーマウス」は固有の性格を持ち、世界に1人しかいないという設定のキャラクターであるが、ポケモンにおける「ピカチュウ」はその世界に何十、何百万匹も存在し、性格等もそれぞれ異なる。なおゲームではポケモンに固有の名前(ニックネーム)を付けることが出来、アニメや漫画でもこれを付けられたポケモンが時々登場する。

ポケモン達は全て空想上の生物として描かれているが、大部分は現実に存在するものに由来して作られている。命名がその典型的な例であり、実在する動植物や概念であったり、英語を始めとする他の言語を捩ったものであるものが多い。サワムラーエビワラー等、実在人物をモデルにしていると思われるものも存在する。

なお、ポケモン達のデザインはゲームフリークに所属する複数のスタッフで行われるが、最終的にゲームソフトのパッケージや攻略本などで用いられる「公式イラスト」としてまとめ上げているのは杉森建である。ただし、具体的に誰がどのポケモンをデザインしたのかはインタビューなどで部分的に明かされるのみである。杉森以外のデザイナーもカードゲーム等の派生作品では直接イラストを手がけることがある。

生物としてのポケモン 編集

ポケモンという生物について明確に統一された公式設定のようなものはほとんど無く、異なるメディア間(例えばゲームやアニメ)はもとより同じメディア間の旧作と新作の間ですら矛盾が見られることもある。

以下ではポケモン図鑑をはじめとしたゲーム内の記述やアニメ・関連書籍などから読み取れる設定のうち大部分の関連作品で統一して適用されているものをまとめた。

定義 編集

「ポケモン」という分類がなされている生物の定義については明らかではない。「ポケモン」という独自の分類体系が存在するのか、それとも複数の分類体系に渡って「ポケモン」とされる生物が存在しているのかすら、資料によってまちまちである。

一般的にはモンスターボールへの収納に代表される、自己を縮小させるという共通の能力を持った生物が「ポケモン」と呼ばれている。また「ポケモン」はデータに変換することができ、前述のモンスターボールへの収納、ゲーム中のパソコンによる管理やアニメ中の転送などはこの能力によりできるもの。さらに、進化と呼ばれる変身を起こす物が極めて多い点も特徴であり、『ダイヤモンド・パール』で語られる最新の研究ではポケモン全体の90パーセントが進化に関係するとされている。

作品世界に登場する人間以外の生物がすべてポケモンというわけではない。ポケモンでない草や樹木が普通に生えていたりするなど、我々の世界と同じような動植物も描写されていたり、その存在について触れられていたりする[3]。またきのみポケルス等、ポケモン以外の架空生物も存在する。

一方で、アニメ等では生態系を構成する動物の全てがポケモンであるかのような描写[4]も登場している。このあたりは、アニメやゲームの設定に温度差がある。なお、劇場版『アルセウス 超克の時空へ』において古代の人々はポケモンのことを「魔獣」と呼称しており、呼び方や概念が時代とともに変化していった様子を伺わせている。

特徴編集

高さ・重さ編集

ポケモン図鑑では、ポケモン1体1体に身長や体重が設定されており、0.1mしかないものから10mを超えるもの、数百グラムしかないものから1トン近くに及ぶものまで、その大きさは千差万別である。ゲーム中では一部の「わざ」に体重の数値が反映されることがあるが、一方で「コイキングの大きさを比べる」といった場面もあるため、種族全てにおいてこれらの数値が共通しているわけではない。また、アニメや漫画ではこれらの数値は必ずしも意識されているわけではなく、自由奔放な大きさ、重さで描かれることが多い。

わざ 編集

ポケモンが戦闘や移動において使用する能力は「わざ(技)」として体系付けられている。原則として、戦闘においてポケモンが直接行う行動のすべては「わざ」である。相手に打撃や異常を与えるもの、自分を強化したり傷を癒したりするもの、双方あるいは空間全体に影響を与えるもの等、さまざまな「わざ」が存在している。

特殊能力 編集

ポケモンごとに、わざ以外で戦闘などに影響を与える能力を持っている。カードゲームでは「特殊能力(ポケパワー・ポケボディー)」として体系付けられ、後に「とくせい(特性)」としてゲーム本編でも表現されるようになった。

カードゲームでは特定のポケモンしか持っていなかったが(同じ種族でも持つものと持たないものがいる)、ゲーム本編では全ポケモンが何らかの「とくせい」を持っている。一部のポケモンは2種類の「とくせい」を持ち、同じポケモンでも個体ごとに「とくせい」が異なる。

分類 編集

ポケモン達は様々な属性で分類されている。戦闘に影響する「タイプ」、繁殖に影響する「タマゴグループ」、さらに「生息地」「体の色」といった分類もなされている。詳細は下記やポケットモンスターのゲームシステムを参照。このような情報は、一部の例外を除いて多くの作品で共通している。

タイプと相性 編集

すべてのポケモンは「タイプ」と呼ばれる属性を1つか2つ持つ。これらは基本的に、種族によって固定されている(ミノマダムは例外)が、ロトムアルセウスのように、「わざ」や「とくせい」等の効果によって一時的に変化することもある。また、カードゲームでは、「δ種(デルタしゅ)」と呼ばれる、本来と異なるタイプを持つ特殊体の存在も確認されている。

ポケモンの使う「わざ」と、その対象の「タイプ」には相性がある。現時点で多くの作品において適用されているタイプ相性は以下の通りである。「あく」と「はがね」が追加された『金・銀』以前のゲーム作品では微妙な違いがあるが、現在は表の通りに落ち着いている。カードゲームをはじめとした関連作品では簡略化されていることもあるが、全体としてこの相性表に近い雰囲気は持っている。

『ポケモンXD』におけるリライブホール、『ポケモン不思議のダンジョン』におけるグミの好みなど、戦闘に関係のない部分でもこれらの相性が関わる場面がある。

ゲーム版では、これらのタイプの相性による効果の違い以外に、出すわざのタイプとポケモンそのもののタイプが同じ場合にはダメージが増加する。ただし「全く効かない」場合には0になってしまう。

左が攻撃側の「わざ」のタイプ、上が防御側のポケモンのタイプ。

タイプ相性表
攻撃を受ける側
ノ丨マル ほのお みず でんき くさ こおり エスパ丨 かくとう どく じめん ひこう むし いわ ゴ丨スト ドラゴン あく はがね
攻撃をする側
ノーマル テンプレート:Color×テンプレート:Color
ほのお テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
みず テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
でんき テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color×テンプレート:Colorテンプレート:Color
くさ テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
こおり テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
エスパー テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color×テンプレート:Color
かくとう テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color×テンプレート:Colorテンプレート:Color
どく テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color×
じめん テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color×テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
ひこう テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
むし テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
いわ テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
ゴースト ×テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
ドラゴン テンプレート:Colorテンプレート:Color
あく テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
はがね テンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Colorテンプレート:Color
テンプレート:Colorよく効く
普通に効く
テンプレート:Colorあまり効かない
×全く効かない

×(全く効かない)」となっているのは、ゲーム本編では能力などに関係なくダメージを与えることができない(但し、補助技の使用によって変わることもある)が、すべての作品でそう設定されているわけではない。カードゲームでは「抵抗力」でダメージが一定量減るだけであるし、そもそも本編で無効のはずのタイプに抵抗力すら持たない(場合によっては弱点を持つ)ことがある。

アニメや漫画においては、「無効」という設定が全くなく普通に効く場合や、ゲーム同様「無効」とされながらも、根性や工夫で不利な相性を克服する描写も多い。アニメ第5話で見られるような、タケシの繰り出すイワークイシツブテをピカチュウの電気攻撃で倒す描写はその典型と言える。

居住 編集

この世界の至るところにポケモンは棲んでいる。森、草原、水中、地中、砂漠、洞窟、廃墟、中には人家の周辺や、人の住めないマグマの中や深海をも住処とする種族も存在する。

食性 編集

大部分のポケモンは食事によって栄養を摂取している。他のポケモンやそのタマゴ・その他の動植物をはじめとする有機物を主食とする種族が多いが、鉱石などの無機物を摂食したり、あるいは光合成を行う等の摂食自体が不要と考えられているものもいる。さらにポケモン図鑑ピジョンの項目に「餌のタマタマ」、ヒマナッツの項目に「オニスズメに襲われる」、スバメの項目に「ケムッソを捕まえて食べる」などという記述が存在しており、ポケモン同士においても食物連鎖が存在すると考えられる。

「きのみ」類はあらゆるポケモンの傷病や疲労を癒す効果があり、これを原料とした人工飼料としてポロックやポフィンが作られている。そのほかの人工飼料として、サファリゾーンではポケモン共通の「エサ」が使用される。またアニメでは「ポケモンフーズ」と呼ばれているものが登場し、タケシがポケモンの種類に合わせた物の調合を研究している等の発言もなされている。

ポケモン不思議のダンジョン』シリーズでは、あらゆるポケモンが同じ速度で腹を減らし、食料も共通の植物性のものに限定されているが、これはコンピュータゲームとしての『不思議のダンジョン』シリーズ共通のシステムの都合によるところが大きい。この作品では世界観設定なども、一般的なそれとはかけ離れている部分が多い。

繁殖 編集

ポケモンの繁殖については明らかになっていない部分が多い。大部分の種族において雌雄の別が明らかになってはいるが、実際に生殖行動が確認された事例は過去に無いとされる。人工飼育下のつがいを特定の環境に置くと「タマゴ」(これは「卵」ではなく、自然物で作られた保育器のようなものである)が見つかり、やがて中から仔が産まれるのだが、そのつがいが産んだものなのか、他所から持ってきたものなのかすら明らかになってはいない。よって、タマゴを得た際には「産卵」ではなく「発見」と称される。ただし生まれた仔はつがいの性質を引き継いでいることが多い。

外見上の性差が表れるポケモンは少なく、生殖器も(少なくとも外見上は)見受けられない[5]。少数ながら雌雄二形が見られる例はあり、ピカチュウの雌雄における尾の形状など微小な違いである場合が多いが、中にはヒポポタスケンホロウなど明確な外見の際が表れるもの、ニドラン♂ニドラン♀バルビートイルミーゼのように雌雄で性質が大きく異なるものもある。ラッキーガルーラなどオスが未発見のポケモン、これとは逆にケンタロスバルキーなどメスが未発見のポケモンも存在するなど、同種間での繁殖手段そのものが不明なポケモンもいる。

タマゴを得るためのつがいは必ずしも同種である必要が無く、「タマゴグループ」と呼ばれる分類が共通する種族同士ならば可能である。また、メタモンは大部分の種族と雌雄を問わずつがえる事が確認されている。

性別の確認されていないポケモンも存在し、ゲーム中では「性別不明」で一括りにされているが、これは「雌雄同体である(ヒトデマン[6]など)」「性別が存在しない」「性別が存在するのか未解明、もしくは性別の確認方法がない」など様々な理由で雌雄に分けられないポケモンが混在している。この中にもメタモンとならつがえられてタマゴも発見されるポケモン、タマゴが一切発見されない繁殖方法の不明なポケモンに分けられる。なお、性別不明のポケモンに分類されていても実際には雌雄が存在と見られる描写のなされる作品もある[7]

タマゴグループが共通のポケモンは生物的に近い性質を持っていると考えられるが、『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』の宣伝ポスターに掲載されたミュウを根とする系統樹では、このタマゴグループとは明らかに別の分類がなされていた。

進化 編集

ポケモンという種族が持つ特徴のうち、印象的なもののひとつが進化である。一定の条件を満たしたポケモンが何らかの刺激により、その姿形、時には性質をも瞬間的に変化させる。

ただしポケモンの進化は、同一個体の変化であるため生物学上の進化の定義にはあてはまらず、生物学的には変態に相当する現象である[8]。実際、「幼虫→蛹→成虫」という昆虫の変態を模した進化を遂げるポケモンも存在するが、種によっては「ネズミ→ウサギ」「魚類→タコ」といったように、現実の生物に当てはめられないような変化を遂げる場合もある。野生では、進化後のポケモンの本来進化するレベルより低い個体で生息している場合もあるため、進化前のポケモンが進化後のポケモンの幼生である、というわけでもないようである。またイーブイの進化の場合、不安定な自身の遺伝子が外的要因を受けて変異し起こるという、生物学上の適応突然変異に相当する現象であり、現実における進化に酷似した例も確認される。

飼育下では一般的に戦闘経験の蓄積や道具の投与、あるいは主人との信頼関係や通信などの刺激、更には特殊な環境での成長などが契機となって進化する。人工的に自分のポケモンの進化を妨害する手法も広く採られている。野生の状態では飼育下では考えられない条件での進化が発生することもあるようだが、詳細は明らかになっていない。『金・銀』では「電波で進化させ凶暴化させる」研究をロケット団が行っており、凶暴化したギャラドスが見られる。また、多くの場合は進化先は1種類のポケモンごと1種類であるが、中には複数の進化先を持つポケモンも存在し、前述のイーブイでは発見されている限り7種類の進化先がある。

進化をすると全体的に能力が上がり(種族によっては一部の能力が下がるものもいる)、使用可能なわざマシンやひでんマシンの数が増えるが、一方でわざを覚えるまでのレベルが高くなる。種族によっては進化の前後で覚えるわざが異なるものや、進化することで新しいわざを全く覚えなくなるものもいる。能力値を優先して早めに進化させるのか、わざを優先して進化を遅らせるのかは各個人の考え方の分かれるところである。

ポケモンカードゲームや一部の漫画では一度進化したポケモンが元の姿に「退化」する描写が見られるが、これらは関連作品の中でも極めて異質な表現であり、基本的に進化は不可逆である[9]。そのため、進化をめぐる葛藤が描かれる場面も多い。

進化とは似て非なるものにフォルムチェンジがある。これは形質が何らかの要因で大きく変化するが、変化の要因が失われると元の姿に戻る、または新たな要因が加わると更に別の姿に変化するというもので、一時的な変化であり可逆の現象である。作中において初めてこの現象が確認されたデオキシスでは、ゲームでは特殊な隕石の力で[10](アニメ版などでは常時任意で行える模様)形質を一時的に変化させるというある種の変身であるが、ロトムは「機械の中に入れる」という自身の能力を使って行うものでロトム本体には変化がないなど、フォルムチェンジの種類ごとにそのメカニズムが異なっている。

人間との関係 編集

世界のあらゆる所に潜み、強力な戦闘能力を持つ(後述)ポケモンは潜在的には人類の脅威であるが、ポケモンの中に人間に使役、利用されるものが多く、人間の支配下に置かれていない野生ポケモンも常時捕獲の圧力に晒されていること、逆にポケモンが人間を従えることは極めてまれな例外を除いてないことから現在の権力構造では概ね人間側が優位に立っているといえる。この権力構造が維持されているのは、人間側の技術力、社会発達度での圧倒的なアドバンテージであると見ることが出来る。

逆に技術が発展していない時代においては、ポケモンは神や精霊などのように畏怖された存在であったと思われる記述・描写がゲーム本編やアニメ、漫画などでも見られる(伝説のポケモンのずかん内容など)。

またゲームやアニメでは古代文明がポケモンと協調または力の利用をする関係であったと見られる描写もある[11]。文明が進んでいなかった時代では、むしろ人間がポケモンたちから知識や技術を得たという事例も存在している(作中では、コンクリートの製法をローブシンから教わったという記録などがある)。

ポケモンはその高い戦闘能力ゆえ、一旦服従させれば人間にとって非常に有益な生物であり、自然と使役ポケモンを野性ポケモンに対抗する手段として用いることが行われた。これが発展してポケモンの所有者同士がお互いのポケモンを戦わせる競技が誕生した。ゲームやアニメをはじめとする、作品としての「ポケットモンスター」ではこのような競技バトルが主なテーマとなっている。また更に発展しポケモンが犯罪に利用されたり、戦争テロリズムにおける兵器として用いられることもある。アニメでは、劇場版にて8作目『波導の勇者 ルカリオ』や12作目『アルセウス 超克の時空へ』で鎧や兜など防具を装備したポケモンが戦いに駆り出されたり、そのポケモンに武装した人間が跨って戦闘を行う場面が登場し、戦争の歴史とともに古代から軍事目的で利用されていたことが確認される。

これらの活動にはポケモンを捕獲し意のままに従わせる者たちの力が必須であり、これを「ポケモントレーナー」と呼ぶ。トレーナーとポケモンの関係は基本的には緩やかな支配、被支配の構造を内包しているが、アニメの主人公サトシとピカチュウのように対等に近い関係もまれに存在する。又トレーナー・ポケモン間の支配・被支配の構造をことさら強調したのがロケット団などである。なお、すべてのポケモントレーナーが戦闘を主眼としてポケモンの飼育、育成を行っているわけではなく、ペットとしてポケモンを飼育する者も多い。アニメでは育成そのものを目的とした「ブリーダー」と呼ばれるものたちや、「コーディネイター」と呼ばれる美術的競技のためのポケモン育成者も存在している

作品を見る限りポケモンの人間社会に於ける使役目的は戦闘目的が主だが、それ以外にも乳や卵を取る為の家畜や優れた身体能力を生かした労働力としてポケモンを飼育したり、ポケモンの調査や研究を生業とする人々もいる。また、ポケモンが食料として狩猟の対象とされていた事をにおわせる神話も伝わっている。現に、カモネギは食用のための乱獲で数が減少しており、チェリンボは味が確認されている事から食べている人がいることがわかる。また、オドシシアブソルは角を薬や美術品して狩猟された過去があるという設定があり、実際の狩猟と同様に、食料以外のさまざまな物資を目的した事例も存在している。これらの活動に於いても人間とポケモンとの関係は支配・被支配の構造を持つ事が伺えるが、オーキド博士などその枠に収まりきらない者も存在している。また、アニメにおいては、ポケモン世界の住人たちは肉や卵は食べず、木の実やホットケーキのようなパン類を食べているという設定も存在する[12]

この支配関係に対して疑問が提示されることも劇中にあり、中には、人間から理不尽に扱われたポケモンが、人間とポケモンとの支配・被支配関係について自覚的、非自覚的問わず敏感になる場合もある。例えば、『ブラック・ホワイト』の登場人物であるN(エヌ)は幼少期から意図的に虐げられたポケモンを見せられてきたため「人間にポケモンを使役することやめさせ、ポケモンを開放し自由にすることが平和に繋がる」と信じて行動していた。また、『ミュウツーの逆襲』で描かれた、人工ポケモンであるミュウツーの起こした行動は人間がポケモンを統治するシステムそのものへの反逆へと通じる面を持っていた。

特別なポケモン 編集

作品世界の中で、特別なポケモンとして扱われている種族が存在する。

最初にもらえるポケモン 編集

ゲームを始める上で、プレイヤーに最初に与えられるポケモン。ピカチュウに固定されているピカチュウバージョンを除き、くさ・ほのお・みずのタイプを持つ3種類から選ぶ事になる。いずれもレベルアップで2段階に進化し、特性はくさタイプが「しんりょく」、ほのおタイプが「もうか」、みずタイプが「げきりゅう」と決まっている。また、ライバルキャラにあたるトレーナーは、主人公の入手したポケモンのタイプの弱点にあたるタイプのポケモンを入手している。

ゲームではこれらのポケモンは野生ポケモンとして登場せず、自分が入手したもの以外は基本的に通信交換でしか手に入れる方法がない[13]。しかし、これらの性質はあくまで事実上そうなっている(主人公がたまたま出会えない)だけであって、この部類のポケモンが野生個体がまったく存在しないといわれたことはいかなるメディアでもない。

漫画・アニメなどでは主要メンバーとして活躍することが多い。関連商品も多く発売される傾向にあり、一般からの認知度も比較的高い。

個々のポケモンについてはCategory:最初に入手するポケモンの各記事を参照。

伝説のポケモン 編集

特定のバックストーリーを持ち、世界観上またストーリー上重要な役割を果たしているポケモンは伝説のポケモン[14]と呼ばれる。ゲームソフトのパッケージを飾ることや、劇場版の題材として取り上げられることも多い。総じて強力なポケモンであり、ゲーム中における特定施設での対戦や現実世界における公式大会等ではしばしば使用が禁止・制限される。だが他のポケモンと比べて必ずしも特別強いというわけでもなく、レベルが近かったり苦手なタイプに出くわすなどすれば、伝説のポケモンと言えど苦戦を強いられることもある。むしろ能力的に伝説のポケモンを上回るポケモンも存在する。

ゲーム本編ではそれぞれ1体ずつしか見られない場合が通常であるが、設定上も「世界に1匹しか存在しない」と明言されているものは少ない。さらにその設定ですらも作品ごとにまちまちである[15]。中には「神」と位置づけられるものもいるが、あくまでも神話の中での話でありポケモン図鑑では「○○地方の神話に登場するポケモン」などと説明されていることが多い[16]

なお、ゲーム本編における出会い方は大きく2種類に分類される。一つは、特定の場所に佇んでおり話しかけると戦闘になるシンボルエンカウントタイプ[17]。もう一つは、各地の草むらを徘徊し戦闘開始後はすぐに逃げ出すタイプである。

個々の伝説のポケモンについてはCategory:伝説のポケモンの各記事を参照。

幻のポケモン 編集

伝説のポケモンよりもさらに特殊な扱いである幻のポケモンも存在する。ストーリー上では極めて特殊な存在として描かれる。

ゲームにおいては他のポケモンと厳密に区別される。これらのポケモンは通常のプレイでは入手することができず、姿を確認することもほとんどできない。それにまつわる物語が断片的に語られる程度である。実際に入手するためにはゲーム外部のキャンペーンなど特殊な入手方法を必要とする[18]ため、これらを入手しなくてもポケモン図鑑は完成扱いになる。近年の作品では、劇場版の公開に伴い存在が公表されるパターンが定着しており、ゲーム本編の発売直後は存在が明らかにされていないことがほとんどである(中でも、アルセウスはゲームの発売から存在の公表まで実に3年近くを要した)。

中でも、『赤・緑』から存在するミュウが有名である。当初は雑誌の抽選でのみ配布されていたが、わずか20名の枠に対し7万8000通の応募があったという。それと前後しバグを使って強引に出現させる「裏技」が有名になり、当時の小中学生を中心に真偽入り乱れて飛び交っていた(→都市伝説)。一連の盛り上がりがポケットモンスター自体の知名度上昇に大きく貢献したと言っても過言では無い。

変則的にルギアホウオウは、『金・銀・クリスタル』と『ハートゴールド・ソウルシルバー』以降の作品では伝説のポケモン扱いであるが、『ルビー・サファイア・エメラルド』から『ダイヤモンド・パール・プラチナ』の間は幻のポケモン扱いであった。この2匹の例を除き、幻のポケモンが通常もしくは伝説のポケモンへと扱いが変化した事例は今のところ存在せず、ゲーム本編で自由に入手できるようになった事もない[19]。また、『ブラック・ホワイト』では、「図鑑完成の条件に含まれるが、通常のプレイでは入手できない」ポケモンや、逆に「通常のプレイで入手可能だが、入手しなくても図鑑が完成扱いになる」ポケモンも登場したが[20]、いずれも幻のポケモンとしては扱われていない。

個々の幻のポケモンについてはCategory:幻のポケモンの各記事を参照。

色違いのポケモン 編集

ポケモンの種類を問わず[21]、非常に低い確率で本来とは異なる体色を持つ個体が発見される。

ゲームでは『金・銀』以降で取り入れられた要素であり、登場時にキラキラと光を伴うエフェクトから光るポケモンとも呼ばれる。ゲームでは外見以外に特別な性質は持たないが、アニメやカードでは特殊な能力や効果を持っている場合がある。色違いの個体が進化しても色違いのままである。

なおシリーズ中で唯一『金・銀・クリスタル』および『ハートゴールド・ソウルシルバー』のいかりのみずうみで手に入れることができる赤いギャラドスが通常プレイ中で確実に手に入れることが可能の色違いのポケモンである。また、公式大会の参加賞などとして色違いのポケモンが配布されるケースもある。

アニメでも時々登場し、初登場は主人公・サトシがゲットしたバタフリーと共に旅立っていったピンク色のバタフリー。ゲットされた初めての色違いのポケモンはヨルノズクである。これはゲームと同様登場時に光るエフェクトがあったが、それ以降に登場する色違いのポケモンにはそのエフェクトがない[22]

「色違い」扱いはされないが、通常のポケモンも各個体ごとに色が微妙に異なっている。『ポケモンスタジアム』等で確認可能だが、近作ではこの設定はあまり生かされていない。

脚注 編集

  1. 複数の姿(主にフォルムと呼称される)を持つもの(デオキシスギラティナ等)や、個体ごとに姿や特徴が異なるもの(アンノーンミノマダム等)を細かく分けた場合は700種類を超える。
  2. 事件(ポケモンショック)や訴訟(ユリ・ゲラー)に関わったポケモンであっても同様である。
  3. 例として、初期の図鑑には「インド象」や「東京タワー」といった現実世界の生物・建造物を比較対象に挙げている記述がある。ただし、これらはプレイヤーの認識に合わせたメタ的記述の可能性もある。
  4. アニメにおいて、設定上はポケモン以外の動物に分類される生物を筆頭とする生物は存在し、生態系はゲームと共通である。しかし特に動物等がポケモンと同族とされないための配慮としてアニメではそういった描写が主流となっている。
  5. 育児嚢を持つガルーラや乳房を持つミルタンクなど、性別特有の器官を持つポケモンは一部存在する。ただし、これらのポケモンはもう片方の性別(この場合はオス)が発見されていないため同種間での性差比較ができず、明確に性別特有の器官なのかは不明である。
  6. 元々はゲームで各種のポケモンごとに雌雄が設定されていなかった時代にアニメ版で設定された要素であり、それに順じてゲームでは性別不明に分類された。
  7. 例えば『ポケモン不思議のダンジョン 時・闇の探検隊』におけるエムリットセレビィは表示では性別不明となっているものの、会話やイベントシーンでは完全に女性(メス)口調であり、セレビィに関してはオスのポケモンであるジュプトルへの恋愛感情を抱いてた
  8. 首藤剛志による小説『ポケットモンスター The Animation』では「“進化”という表現は適切ではないが、表現するのに便利なので使用している」と解釈されている。
  9. ポケモン図鑑では、「ヤドランは尻尾のシェルダーが外れるとヤドンに退化する」という設定が語られているが、ゲーム内でそのようなことが実際に起こるわけではなく、あくまでも図鑑等で語られているのみである。
  10. 初登場となったゲームボーイアドバンスの頃においてはシステムが異なり、バージョンごとに異なるフォルムが容易され自動で変化するというものだった。
  11. 古代遺跡のパズルを解くとアンノーンが出てくる、文様つきの巨大なゲンガーとフーディンがモンスターボールらしきものに入っていた、など。
  12. 【ポケモンセンターに聞きました】ポケモンの肉は食べられるのか?、ガジェット通信
  13. 『エメラルド』や『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、イベントやポケウォーカーで他作品において最初に入手するポケモンが入手できる。ただし、いずれか1匹しか手に入らないことが多い。
  14. ポケモン図鑑ではウインディが「でんせつポケモン」に分類されているが、少なくともゲーム内では特別に扱われることは無い。
  15. アニメ版で「伝説のポケモンも複数個体が存在する」ことが初めて描写されたのがルギアである。無印機のテレビ版に登場するルギアは劇場版『ルギア爆誕』に登場したものと別個体であり(登場人物のセリフから劇場版の後日談と明言されている)、さらにそのルギアの子供と見られる小型の幼生ルギアを連れて登場しており、アニメ世界においてルギアは最低でも3匹は存在していることが確認される。ラティオスラティアス(映画劇中で複数の個体が確認でき、アニメ版でも複数のトレーナーが使用)など他の伝説のポケモンも同様の事例がある。これとは逆に、アニメ版のミュウツーは「遺伝子操作を加えたミュウのクローン」であり、製造された一個体しか存在してない。
  16. 例えば、ホウエン地方において伝説のポケモンであるグラードンカイオーガによる創造神話は語り継がれているが、サウンドトラック付属のブックレットに書かれた開発スタッフの解説によると、これは2匹の驚異的な力を目にした古代人の創造だとされる。ただし、同ブックレットで「2匹の決戦も架空である」とされたものの、『エメラルド』では実際に2匹の決戦は起こっておりレックウザが鎮めたという話が登場するなど、後の作品との食い違いも存在するので、どこまでが正しいのかは不明である。
  17. なお、『ダイヤモンド・パール』以降の作品では、話しかけた時に特徴的な鳴き声(台詞)を発するものが多いが、ゲームフリークの松宮稔展曰く「伝説のポケモンは、捕まえたらそれっきりで一度も連れていかない可能性があるため、あえて変な鳴き声にすることでインパクトを残そうとしている」とのこと。
    (参考:「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のつくりかた 2:ゲームフリークスタッフボイス
  18. かつては公式大会などの雑誌の企画が多かったが、最近では映画関連(前売券の特典や劇場での配布)またはWi-Fiコネクションでの配信が多くなっている。
  19. あくまで「ゲーム本編」ではの話であり、ミュウとフィオネが『みんなのポケモン牧場』で入手でき、データを削除してやり直せば理論上は複数回の入手も可能であるなど、特殊な例もある。
  20. 前者はゾロアゾロアーク、後者はランドロスキュレムがこれに該当する。
  21. 第4世代では「店員から直接受け取る配布ポケモン」には決して色違いにならない設定がなされている(色違いのポケモンとして配布される場合は除く)。その他、『ブラック・ホワイト』のビクティニレシラムゼクロムに限って色違いにならない設定がある。このため該当するポケモンの色違いは非正規品でしかあり得ないことになる。
  22. ダイヤモンド&パール』でギンガ団のサターンが所持しているドクロッグがボールから出された時にはエフェクトが出なかった。

関連項目 編集

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